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建築業界の現状とは?2024年最新動向と課題について解説

建築業界は、私たちの生活に欠かせない建物やインフラを作り出す重要な分野です。しかし、近年では人材不足や環境問題など、さまざまな課題に直面しています。この記事では、建築業界の現状や最新の動向、そして将来の展望について解説します。


建築業界とは?

建築業界は、私たちの身の回りにある建物を設計し、建てる仕事に携わる人々の集まりです。家やオフィス、学校、病院など、さまざまな建物を作り出すことで、社会の発展に貢献しています。


建設業界との違い

建築業界と建設業界は似ているようで、実は少し違います。建築業界は主に建物を作ることに特化していますが、建設業界はそれに加えて道路や橋、ダムなどの大きな構造物も作ります。建築業界は建物の設計やデザインにも力を入れており、より芸術的な側面も持っています。


主な業種と仕事内容

建築業界には、さまざまな仕事があります。設計士は建物の設計図を描き、施工管理者は現場で工事の進行を管理します。また、インテリアデザイナーは室内の装飾を担当し、構造設計士は建物が安全に建つように計算します。これらの専門家たちが協力して、一つの建物を完成させていきます。


建築業界の現状:2024年の市場動向

2024年の建築業界は、さまざまな変化に直面しています。新しい技術の導入や社会のニーズの変化により、業界全体が大きく変わろうとしています。


市場規模と成長率

建築業界の市場規模は、近年変動が見られます。国土交通省が令和6年1月に公表した「建築着工統計調査報告(令和5年計分)」によれば、令和5年において、建築物の総着工数は床面積ベースで減少しているものの、工事費予定額ベースでは増加しています。


具体的には、床面積ベースで111,214(千㎡)、前年比マイナス6.9パーセントと減少しました。一方、工事費予定額ベースでは285,652(億円)、前年比6.8%の増加となっています。この数字は、建築業界が直面している課題と機会の両方を示しています。


床面積の減少は需要の変化を示唆していますが、工事費予定額の増加は、建築物の質や付加価値の向上を反映している可能性があります。


参考:建築着工統計調査報告(令和5年計分)│国土交通省


需要の傾向と変化

2024年の建築業界では、いくつかの新しい需要傾向が見られます。まず、環境に配慮した「グリーンビルディング」への関心が高まっています。省エネ性能の高い建物や再生可能エネルギーを活用した建築物の需要が増えています。


また、高齢化社会に対応したバリアフリー設計、感染症対策を考慮した換気システムの導入など、社会のニーズに合わせた建築が求められています。リモートワークの普及により、オフィスの在り方も変化しており、柔軟な空間設計が注目されています。


技術革新の影響

建築業界では、新しい技術の導入が進んでいます。3Dプリンティング技術を使った建築部材の製造や、ドローンを使った建設現場の測量など、最新のテクノロジーが活用されています。


BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)と呼ばれる3Dモデルを使った設計手法も普及しており、建築プロジェクトの効率化が図られています。これらの技術革新により、建築の品質向上やコスト削減、工期短縮などが実現しています。


建築業界が直面する課題

建築業界は多くの可能性を秘めている一方で、いくつかの重要な課題にも直面しています。これらの課題を乗り越えることが、業界の持続的な発展につながります。


人材不足と高齢化問題

建設業界では、熟練した技術者の高齢化と若手人材の不足が大きな問題となっています。国土交通省による建設業を巡る現状と課題によると、建設業界で働く労働者の35%以上が55歳以上です。


一方、29歳以下の労働者は全体の約11%しかいません。この状況は、技術の継承や現場の人手不足につながり、業界全体の生産性に影響を与えています。若い世代に建築業界の魅力を伝え、新たな人材を確保することが急務となっています。


女性や外国人労働者の活躍の場を広げるなど、多様な人材の受け入れも重要な課題です。


環境への配慮と持続可能性

地球温暖化や資源の枯渇が問題となる中、建築業界でも環境への配慮が求められています。建物の設計段階から省エネルギー性能を高めたり、再生可能エネルギーを活用したりするなど、環境負荷を減らす取り組みが進められています。


また、建築材料の選択においても、リサイクル可能な素材や地域の材料を使用するなど、持続可能性を考慮した取り組みが増えています。これらの環境配慮型の建築は、コストが高くなる傾向がありますが、長期的な視点で見ると、エネルギー費用の削減や建物の価値向上につながると考えられています。


デジタル化への対応

建築業界でもデジタル技術の活用が進んでいますが、その導入にはまだ課題があります。BIMやAI、IoTなどの新技術を効果的に活用するためには、従業員のスキルアップや設備投資が必要です。特に中小企業では、コストや人材面での課題から、デジタル化が遅れている傾向があります。


しかし、これらの技術は生産性の向上や品質管理の改善に大きく貢献するため、業界全体でデジタル化を推進していくことが重要です。また、サイバーセキュリティの確保も新たな課題として浮上しています。


建築業界で求められる能力と資格

建築業界で活躍するためには、特定の能力や資格が必要です。これらを身につけることで、より専門的な仕事に携わることができます。


必要なスキルと知識

建築業界で求められるスキルは多岐にわたり、建築の基礎知識や法規制の理解は不可欠です。CADなどのコンピューターソフトを使いこなす能力、プロジェクト管理能力やコミュニケーション能力も求められます。


建築物は多くの人々の協力で作られるため、チームワークや調整能力も大切です。近年では、環境や省エネに関する知識、デジタル技術の活用能力なども重視されています。これらのスキルは、学校教育や実務経験、継続的な学習を通じて身につけていきます。


重要な資格と取得方法

建築業界で最も代表的なのは「一級建築士」で、大規模な建築物の設計や工事監理を行う際に必要です。このほか、「二級建築士」「木造建築士」「施工管理技士」などの資格があります。これらの資格を取得するには、一定の実務経験と国家試験の合格が必要です。


例えば、一級建築士の場合、大学で建築学を学んだ後、2年以上の実務経験を積み、国家試験に合格する必要があります。資格取得は難しいですが、キャリアアップや給与アップにつながる重要な要素です。


キャリアアップの道筋

多くの場合、設計事務所やゼネコンなどに就職し、実務経験を積みながら専門性を高めていきます。設計者の場合、最初は先輩の指導の下で図面作成などを担当し、経験を積むにつれて独自の設計を任されるようになります。


施工管理者の場合も、現場での経験を重ねながら、より大規模なプロジェクトを任されるようになっていきます。専門分野を深めて構造設計や設備設計のスペシャリストになる道もあります。経験を積んだ後に独立して自身の設計事務所を開設したり、大学教授として後進の育成に携わったりする人もいます。


建築業界の未来:これからの展望

建築業界は、社会の変化や技術の進歩に伴い、大きな変革期を迎えています。これからの建築業界がどのように発展していくのか、その展望について見ていきましょう。


新しい建築技術の登場

建築業界では、常に新しい技術が生み出されています。例えば、3Dプリンティング技術を使って建物の部品や建物全体を作る方法が研究されています。これにより、建設期間の短縮やコストの削減が期待されています。


また、AIやIoT技術を活用したスマートビルディングも注目されています。これらの建物は、エネルギー使用の最適化や快適性の向上、セキュリティの強化などを自動的に行うことができます。VR(仮想現実)やAR(拡張現実)技術を使って、建物の完成イメージを事前に体験できるようになるなど、設計プロセスも大きく変わろうとしています。


社会ニーズの変化と対応

社会の変化に伴い、高齢化社会に対応したバリアフリー設計や災害に強い建築物の需要が高まっています。また、環境問題への意識の高まりから、エネルギー効率の高い建物や自然と共生する建築デザインが求められています。さらに、新型コロナウイルスの影響により、換気や非接触型設備など、感染症対策を考慮した建築設計も重要になっています。


社会ニーズに応えるため、建築業界では常に新しい設計手法や建材の開発が進められています。建築家や技術者には、これらの変化に柔軟に対応し、革新的なアイデアを生み出すことが期待されています。


国際化と海外展開の可能性

建築業界の国際化も進んでいます。日本の建築技術や設計思想は海外でも高く評価されており、多くの日本の建築家や建設会社が海外プロジェクトに参加しています。特に、アジアやその他の発展途上国では、インフラ整備や都市開発が進んでおり、日本の技術や経験が求められています。


また、海外の建築家や技術者との交流も増えており、国際的な視点を持った人材の育成が進んでいます。一方で、海外進出には言語の壁や現地の法規制への対応など、さまざまな課題もあります。これらの課題を乗り越え、グローバルに活躍できる人材の育成が今後ますます重要になってくると考えられています。


まとめ

建築業界は、私たちの生活に欠かせない重要な分野です。2024年現在、この業界は人材不足や高齢化、環境問題への対応、デジタル化の推進など、さまざまな課題に直面しています。しかし同時に、新しい技術や社会のニーズによって大きく変化しています。3Dプリンティング技術やAI、IoTの活用、環境に配慮した建築など、革新的な取り組みが進められています。


建築業界は創造性を活かして社会に貢献できる、やりがいのある仕事です。しかし、この業界で成功するためには、専門的な知識やスキル、そして適切な資格が必要となります。また、常に新しい技術や社会のトレンドに対応できる柔軟性も求められます。


建築業界に興味がある方、キャリアを考えている方は、ぜひ国土工営コンサルタンツ株式会社にご相談ください。当社は豊富な経験と専門知識を持つスタッフが、建築業界に関するさまざまな疑問や相談に丁寧に対応いたします。


将来の建築業界を担う人材の育成や、業界の発展に貢献できるよう、全力でサポートいたします。建築業界の未来を一緒に築いていきましょう。

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